活動報告

2025 釧路BLSOプロバイダーコース

 2025年7月20日、釧路市立高等看護学院にてHOPPIE(北海道周生期医療救急支援の会)主催、一般社団法人大地みらい基金、一般社団法人WIND、NPO法人周産期医療支援機構(OPPIC)、釧路市の共催によるBLSOプロバイダーコースを開催いたしました。

 BLSO開催に関して、大地みらい基金様、釧路医師会様、大塚製薬工場釧路工場様、釧路孝仁会記念病院様、高玉建設工業株式会社様、土田・松井・葵・宮脇・萬木特定建設工事共同企業体様、中日本航空株式会社様、有限会社エーアシスト様、HOPPIEクラウドファンディング協力金から多大なるご協力・ご支援をいただいております。また、釧路市からは釧路市立高等看護学院の施設使用、シミュレーション用救急自動車のご協力をいただきました。

 根釧地区での初めての開催。道東地域を中心に道内の多数の方に受講希望のお申込みをいただきました。やはり北海道BLSOのニーズの高さが改めて実感させられました。受講生24名、講師21名、周産期の知識・技術はもちろんのこと、このコースならではの医療安全を軸にチーム医療を学ぶ貴重な時間となりました。
今回のBLSOで道東の地域にチーム周産期を根付かせ、安全安心な周産期医療が病院前から市民に提供できるよう今後とも活動していきます。

釧路市消防本部 小谷雄亮

「HUGで考える災害時の母子支援 in 釧路」研修会

 2025年7月19日、釧路市立高等看護学院にて「HUGで考える災害時の母子支援 in 釧路」研修会を開催しました。
本研修会は、HOPPIE(北海道周生期医療救急支援の会)が主催し、一般社団法人大地みらい基金、一般社団法人WIND、NPO法人周産期医療支援機構(OPPIC)、釧路市の共催で開催しました。

 医師、助産師、看護師、救命士、防災士、さらには高校生など、多様な背景を持つ方々にご参加いただきました。
「まだ見ぬ母子の命を救うのは誰ですか?」 をテーマに、災害時における避難所の課題や必要な配慮について、カードゲーム形式で考えました。参加者は「自助」「共助」「公助」の重要性を再認識し、平時からどのような備えが必要かを話し合う貴重な機会となりました。職種や年代の異なる参加者同士が、活発に意見を交わし、協力して課題に取り組む姿は、今後の避難所運営において必ず活かされるものと確信しています。

 後半には、釧路市総務部防災危機管理課の島田主幹をお招きし、「千島海溝を震源とする巨大地震」 をテーマに講義をいただきました。釧路市の被害想定や過去の災害史、防災対策の現状について学び、実際の災害時にどのような支援が可能か、改めて「自助・共助・公助」の連携の重要性を深く考える機会となりました。
本研修会が、釧路市の防災対策の新たな一歩となることを願っております。
ご参加・ご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

釧路市消防本部 小谷雄亮

2025 ハイテク BLSO 開催報告

第2回 ハイテクノロジー専門学校BLSOプロバイダーコース 2025

 2025年1月11日、北海道ハイテクノロジー専門学校でBLSOプロバイダーコースを開催しました。
昨年に続き、2回目の開催です。
本コースは、「さっぽろ連携中枢都市圏事業」として札幌市から多大なるご支援を頂いております。また、北海道ハイテクノロジー専門学校からは会場や資機材、トレーニング用救急車など全面的なご協力を得ております。本当にありがとうございます。

 今回は受講生29名、講師陣33名、総勢62名のメガコースでしたが、大きなトラブルもなく、受講生も全員合格!という、嬉しいコースになりました。

 受講生と一緒に、講師陣もBLSOを通じて学びを深めているteamSTEPPS。今回は「心理的安全性」について、高知医療センターの林和俊先生にスペシャルレクチャーをお願いしました。1日かけて学んだteamSTEPPSは「ああ、そういうことか!」と、理解が深まりました。そして、「明日から自部署でどうしていこう?」「組織の中で、自分に何が出来るだろう?」という、やる気と不安が混在する気持ちに、そっと背中を押して下さる先生の温かい言葉に勇気をもって帰路についた受講生や講師陣は多かったと思います。

 また、今回はコース後のHOPPIE入会希望者が過去最多でした!「仲間に入りたい」と思ってもらえるような講師チームに成長できていることに、嬉しさと共に、身の引き締まる思いです。これからも、知的好奇心をくすぐる魅力的なコースの開催と共に、心理的安全性のある講師チームを作っていきたいと考えています。

 実は本コースの定員は18名でした。しかし、予想を遙かに超える申込みがあり、ギリギリまで定員を増やして開催しました。道央だけではなく、道南、道東、道北からも申込みがあり、北海道におけるBLSOの需要の高さを改めて感じました。HOPPIEでは、来年度も継続してコースを開催していく予定です。今回受講が叶わなかった方、ぜひ、今後開催されるコースにお申し込み頂けたらと思います。

 昨年から導入している託児所は、今回も受講生、講師、共に活用しました。ライフイベントに関係なく学習を継続できるコースを目指して、今後も取り組んでいきます。

 受講生の皆様、講師陣、その他本コースに携わりご協力頂いた皆様、HOPPIEクラウドファンディングでご支援下さりました皆様、本当にありがとうございました。
HOPPIE一同、愉しみながら、お互い刺激し合いながら励んでいきます。これからも、どうぞ、ご協力、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

旭川医科大学病院 
救命救急センター 
助産師  片山恵理

第13回 災害時母子救護研修 in 福岡 開催報告

第13回 災害時母子救護研修 開催報告
第1回 危機管理医学会内セッション(2025年2月16日開催

2025年2月16日、福岡医師会館で開催された第1回日本危機管理医学会・学術総会にて、第13回 災害時母子救護研修を実施しました。今回の研修には、九州を中心に40名が参加。地元でのつながりがない中、多くの方々のご協力を得て受講者を集めることができました。本研修では、災害時の妊産婦・新生児・乳幼児の避難所支援をテーマに、災害関連死を防ぐための対応を考えます。急性期には「減災」、亜急性期には「生活の場」となる避難所について、避難所運営ゲーム(HUG)を用いたグループワークを実施しました。

今回は特に、鹿児島の救急郷中会から、姶良市ジュニア・リーダー「どんぐり」に所属する高校生3名が参加し、積極的に議論に関わってくれました。彼らは「どんぐり」でHUGを学んでいることもあり、意見の述べ方や議論の進め方が非常に洗練されていました。また、救急郷中会の「郷中教育」と、HOPPIEの若手育成の取り組みには多くの共通点があると感じました。どちらも地域社会に貢献する人材の育成を目的としており、今後さらに交流を深め、学びを共有したいと強く思いました。


研修を振り返って
HUG終了後、参加者や関係者から多くの温かいお言葉をいただき、改めてこの活動の意義を感じました。研修中はそれらしく話をしていますが、実はこの研修を始めたきっかけは、単なる「ノリ」でした。BLSOメンバーと「面白そうだからやってみよう!」という軽い気持ちでスタートしました。
しかし、初めてHUGを実施した際、寒い体育館に取り残された新生児(HUGカード)を目にし、「母子支援の啓発は必要だ」と強く実感したのが正直なところです。
今回の研修後、「ライセンス制度は?」「ファシリテーターの資格は?」という質問もありましたが、もともと「ノリ」で始めた研修ですので、そういったものは存在しません
それでも、試行錯誤を繰り返しながら、今回の研修が現時点での「災害時母子救護研修の完成形」になったと感じています。本当に、ここまで多くの方とともに学び、成長してきました。

最後に
今回、このような貴重な機会をいただいた第1回危機管理医学会大会長・細谷辰之先生に、心より感謝申し上げます。
「科学の成果は社会に最大限反映されるべきだ」
しかし、実際には現状維持が優先され、科学的な知見が軽視されることも少なくありません。時には、必要な科学的成果が完全に無視されることすらあります。
危機管理医学会は、「科学・生理学を根拠に、人類が直面する危機の軽減・除去の方法論を探る」という目的を掲げています。
その第1回のテーマは、「われわれはサピエンスたりうるのか?
深い問いかけです。
COVID-19の経験を経て、私たちは本当に学習できたのか?
学んだとしても、それを社会に反映できないのはなぜなのか?
まるで、自分の子どもに問いかけるような、細谷先生ならではのメッセージが込められているように感じました。
この意義深い学会の場で、災害時母子救護研修を開催し、私たちの活動を取り上げていただいたことに、心から感謝いたします。
参加者の皆様、ファシリテーターの皆様、本当にありがとうございました!!

北海道大学 産婦人科 齊藤 良玄

(高知医療センター・渡邉理史先生、世界医師会会長・横倉義武先生、齊藤)

札幌HUG(災害時母子救護研修)2024

 

 2024年8月11日、北海道大学病院で災害時母子救護研修&医療的ケア児の災害対応が開催されました。
 
 本研修会は、HOPPIE(北海道周生期医療救急支援の会)が主催、一般社団法人WIND(北海道大学病院産婦人科 女性の健康と医療を守る医師連合)が共催となっております。

【災害時母子救護研修】
 医師、助産師、看護師、救命士、さらには福祉施設職員や行政職員の方々にご参加いただきました。
 「家を失った妊婦、褥婦、乳幼児はどこで生活するか知っていますか?」
 皆様はこの問いに対して、答えられるでしょうか。
 災害対策には3つの助が必要と考えられています。自助、共助、公助の3つです。リアルな災害を経験した方は「近助(近所)」、「便助(便所)」が必要とも言われております。
 頭で理解するだけではなく、行動ができるようになるためには…。自分たちは平時から何をしなければならないかを参加者全員で考える時間となりました。

【医療的ケア児の災害対応】
 今回も、鳥取大学医学部脳神経小児科の中村裕子医師をお招きし、開催しました。
医療的ケア児ってどんな子?といった、基礎的な内容から講義をいただき、実際に災害が起きたときの対応をシミュレーションできる研修会となりました。
皆様は、医療的ケア児が自宅外に避難しなければならない状況となったとき、どのくらいの必要物品があるかご存じでしょうか。人工呼吸器などの医療機器をはじめとする大量の必要物品があります。とても大人1人では搬送できません。それを誰が、どこに、どのようにして持っていくか。たくさんの課題がありそうです。
参加した方々の難題に対して考える姿や楽しい雰囲気で意見交換をする姿がとても印象的でした!

災害大国と呼ばれるほど災害が多い日本、日頃から対策できることがまだまだありそうです。引き続き開催を予定していますので、ご興味のある方はご検討ください。

最後になりますが、本研修会にご参加、ご協力、ご支援いただいた皆様に感謝申し上げます。

とかち広域消防局 帯広消防署
救急救命士 永井 雄平

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